このたび、市民後見人材バンク登録者、法人後見支援員及びかけはし職員合同の対人援助研修を行いました。今回は令和5年度に引き続き、安曇野市社会福祉協議会の岡村律子氏をお招きして「~想いのかけら探しがなぜ大切なのか~」と題し、いのちの終わりについての話し合い「人生会議とリビングウィル(事前指示書)」を実施するにあたり、普段の何気ない会話の中から想いのかけら(ピース)探しを行う事の大切さについて学びました。
厚生労働省の調査によると、延命措置等の意思表示の書面をあらかじめ作成しておくこと(リビングウィル)については3人に2人は賛成しているのに対し、自身や大切な人の死について話し合ったことがある人は全体の4割、実際にリビングウィルを作成している人は全体の1割にも満たないとのことでした。本人が意思表示出来る場合はそのような話し合いの場を設けることや、気軽に話せる環境を整えて実施していくことが大切ですが、本人の意思が確認できない場合は本人の推定意思を尊重するために、何気ない会話の中から想いのかけらを探すことが大切になります。
準備して頂いた事例をもとに、5グループに分かれて想いのかけら探しを実際に行いました。グループワークでは「この人はこういう人だったのかもしれない」「実際はこう考えているかもしれない」等の意見を交わしながら、その人の人となりや人生観について考えることの大切さや難しさを学ぶことが出来ました。また、令和5年度の対人援助研修と同様、「もしバナゲーム」を実施し、自身が最期を迎えるにあたり大切にしたいものは何なのかを真剣に考える時間もあり、とても充実した時間を過ごすことが出来ました。
後見人等は身元引受や医療同意に関して権限はなく、対応することは出来ません。しかし、後見人等として被後見人等と関わる中で、面会や訪問時の何気ない会話の中から想いのかけらを探し、被後見人等が自分らしくどのように最後まで生きたいのかを考え、代弁することは可能です。
今回の研修に参加した皆さんが、被後見人等との関わりの中から1つでも多くの想いのかけらを探し、より良い後見業務が実施出来ることを期待します。